米IDCが現地時間2016年9月15日に公表したスマートウオッチ市場に関するリポートによると、同年における世界の出荷台数は2010万台となり、前年実績から3.9%の伸びにとどまる見通し。

 スマートウオッチは現在、ブランド愛好者やテクノロジーに精通した人々が購入するという状況にとどまっているとIDCは指摘している。ただ、数年後にはこの状況は変わると同社は予測する。IDCはその要因として、スマートウオッチが(1)従来の腕時計のようなデザインになり、デザインやスタイルを重視する人に受け入れられること、(2)携帯電話ネットワークのデータ通信に対応し、単体でより便利になること、(3)低価格化が進み、購入しやすくなることなどを挙げている。これにより2020年には、年間出荷台数が5460万台になり、その販売金額は178億ドル(約1兆8160億円)に達すると同社は予測する。

 現在スマートウオッチは、「スマートウエアラブル」の中で大多数を占めている。IDCの推計によると、スマートウエアラブル機器の2016年における出荷台数は2150万台で、スマートウオッチはその9割強を占める。

 これに対し、フィットネストラッカーなど、サードパーティーのアプリを利用できない「ベーシックウエアラブル」の2016年における出荷台数は8070万台になるとIDCは見ている。

 また、2016年におけるスマートウオッチのOS別出荷台数は、「watchOS」が1050万台で首位となり、これに「Android/Android Wear」が460万台で続く見通し。Apple Watchの最新モデル「Series 2」は初代モデルにあった欠点を補った。だが初代モデルのプロセッサを新型プロセッサにアップグレードした「Series 1」は安くなり(269ドルから)、年末商戦時期にwatchOSの出荷を押し上げるだろうとIDCは分析している(関連記事:「Apple Watch Series 2」はGPS搭載、耐水仕様で水泳もOK)。

 一方、Android/Android Wearは2020年までの期間、最も速いペースで成長するという。その2020年における出荷台数は2280万台となり、watchOSの2390万台に迫るとIDCは予測している。

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