欧州SAPとNTTは2016年9月15日、公共交通機関や運輸業に向けて、事故を未然に防ぐための対応や効率的な運行をサポートするサービスを開発したと発表した。運転者の心拍数などの生体情報と、ドライブレコーダーなどの運転挙動のデータを組み合わせて分析する仕組み。2016年10月から実証実験を行い、2017年1月に提供を開始する予定。

 自動車の挙動を収集して分析するソフト「CTS(シーティーエス:Connected Transportation Safety)」(欧州SAPが開発)と、着用するだけで心拍数などの生体情報を取得できる機能素材「hitoe(ヒトエ)」(NTTが東レと共同開発)を組み合わせたサービス。

 運転者が身に着けたhitoeから、心拍数などの生体情報をリアルタイムに取得し、NTTグループの分析基盤の上で疲労度などについての分析を行う。これらの運転者のデータと、ドライブレコーダーやデジタルタコグラフなどの運転挙動のデータを、SAP HANA Cloud Platform上のCTSを使って総合的に分析する。

 まずは、京福バス(福井県福井市)の協力の下、2016年10月から日本国内で実証実験を行い、2017年1月に提供を開始する予定。米国や欧州でも販売する予定という。

 今回開発した交通機関向けのサービスは、欧州SAPとNTTの協業による共同開発案件の第一弾。今後は他の分野でも、新技術を用いたサービスの共同開発に取り組むとする。