日立ソリューションズは2016年9月12日、サブスクリプション(従量・継続課金)型のビジネスを支援するソフトをSaaS型で提供する「Zuora(ズオラ)」を発表した。9月13日から販売開始する。顧客に提供するサービス商材の料金を、営業部門や企画部門の担当者が簡単に変更できるので、料金改定の頻度が高いサービスに向くとしている。開発会社は米ズオラで、価格は個別見積もり。販売目標は、2020年度までに関連サービスを含めて50億円。
商品カタログや見積もり、契約管理、課金設定、請求、レポートなど、サブスクリプション型ビジネスに必要な機能を一通り提供する。製造業やクラウドサービス事業など、世界800社以上のニーズやノウハウを反映しており、複数言語と複数通貨を利用できるという。オプションで、SFA(営業支援)およびCRM(顧客関係管理)アプリケーションであるSalesforce.comと接続できる。
設定画面での簡単な操作で、サービスや料金プランの作成や変更ができる。新しいプランをタイムリーに顧客に提供できる。また、サービスの申し込み、アップグレード、プラン追加、休止、契約更新、ダウングレード、契約更新、といった顧客の契約変遷を追跡して把握することによって、価格変更や新プランの立案といったリテンション施策を行える。例えば、ダウングレードによって契約を存続させることで、解約率を減らせられる。
プライシング機能 | 商品マスターを登録する機能。GUI画面から、商品と、商品にひも付いた料金プランを設定できる。契約期間や数量による段階的な価格設定や、従量課金の価格設定など、柔軟な料金プランを作成できる |
見積機能 | 見積を作成し、管理する機能。見積の内容をもとに、申込(受注)情報を作成できる。同機能は、Salesforce.comとZuoraを連携させるオプションが必要 |
契約管理機能 | 契約内容(更新内容や、クロスセルやアップセルの履歴、Webサイト上で申し込まれた契約の管理など)を契約変遷としてとらえ、リテンション施策やマーケティング施策を打つことによって、顧客とのリレーションシップを強化、管理する機能 |
請求機能 | 請求金額を計算し、請求書を発行する機能。請求開始日や請求日を柔軟に設定可能で、日割計算にも対応する。決済代行事業者との接続実績が豊富としている |
入金管理機能 | 顧客からの入金を処理する機能。決済代行事業者からの入金情報などにより、請求時の売掛の消込が可能 |
会計連携機能 | 会計情報を管理し、会計システムに連携する機能。売上計上や毎月の締め処理、会計システムに連携する仕訳の出力が可能 |
レポート・分析機能 | Zuoraのデータをレポートとして出力する機能。クエリービルダーによる簡易レポート(表、グラフ)やダッシュボードを備えており、サブスクリプションビジネスの状況確認が可能。ダッシュボードを利用するには、Salesforce.comとの連携が必要 |