音楽分野の六つの権利者団体は2016年9月5日、著作権の所管官庁である文化庁の京都移転について、「あくまでも中央に置くべき」とする声明を発表した。

 日本芸能実演家団体協議会 実演家著作隣接権センター(CPRA)、日本音楽著作権協会(JASRAC)、日本レコード協会、日本音楽出版社協会、日本楽譜出版協会、日本音楽作家団体協議会が共同発表した。

 声明では、「インターネットを前提とする著作権制度の在り方など、知的財産の取り扱いを巡る議論は、このさき国内において、また国際間においてもますます活発化していくと思われる」「利害関係者も多様化していく中で、スピード感をもって調整したり、政策判断したりということを求められる場面がさらに増えていくことが予想される」とした。

 そんな中で著作権行政に関連する機能を中央から分離すると、「関係者などとの意思疎通を含めて、情報へのアクセス、省庁連携、政策立案など、あらゆる点において負荷が増大する」「その結果、我が国の著作権行政の停滞を招く恐れがある」と懸念を示した。

 地方創生施策の重要性について異論はないとする一方で、「文化庁移転問題については、まち・ひと・しごと創生基本方針の策定から今日に至るまで、関係者などからの意見聴取を行わないままに全面的な移転を既定方針とするなど、十分な議論が尽くされているとはいいがたい状態にあると言わざるを得ない」とし、今後も動向を注視する考えを示した。

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