米IDCが現地時間2016年9月6日に公表したウエアラブル機器市場に関するリポートによると、同年4~6月期における世界出荷台数は2250万台となった。スマートウオッチ最大手の米Appleが出荷台数を大幅に減らしたものの、米Fitbitなどフィットネストラッカーを手がけるメーカーが台数を伸ばしたことで、市場全体の出荷台数は前年同期から26.1%増加した。

 IDCはウエアラブル機器をフィットネストラッカーなどの自社開発アプリのみに対応する「ベーシック型」と、スマートウオッチなど、サードパーティー製アプリも利用できる「スマート型」に分類している。

 ベーシック型の4~6月期における出荷台数は前年同期から48.8%増加したが、スマート型は同27.2%減少した。IDCによると、ベーシック型は多くのメーカーがさまざまな機器を市場投入し、消費者の選択肢が広がっている。また手頃な価格も販売好調の要因になっているという。これにより、ウエアラブル機器全体の出荷台数に占めるベーシック型の比率は82.8%になった。ただ、今後参入企業が増えるのに伴い各社の製品は似たようなものになり、メーカーは自社製品を差異化することが難しくなるとIDCは指摘している。

 一方、スマートウオッチをはじめとするスマート型ウエアラブルに対する消費者の好奇心は旺盛という。だがこれらスマート型は依然、消費者に必須アイテムとして認識してもらえるまでには至っていない。スマート型の市場はまだ初期段階であるため今後、メーカーがゆっくりと機能を向上させていくものと考えられる。だが、このことは同時にベーシック型からスマート型への移行がゆっくり進むことも意味していると、IDCは指摘している。
 
 同年4~6月期のメーカー別出荷台数は、Fitbitが570万台(シェア25.4%)で首位となり、これに中国Xiaomi(小米科技)の310万台(同14.0%)が次ぎ、このあとAppleの160万台(同7.0%)、米Garminの160万台(同6.9%)、中国Lifesense(樂心)の100万台(同4.6%)と続いた。

 このうち、首位のFitbitの出荷台数は前年同期から28.7%増加、2位のXiaomiは同2.5%増加した。一方でAppleは同56.7%減と大きく落ち込んだ。Apple Watchの発売1周年だった今年4月に新モデルが投入されなかったことがその主な要因だ、とIDCは分析している。ただし4~6月はApple Watch「Sport」モデルが値下げされた直後の四半期のため、Apple Watchの出荷台数は1~3月期から若干回復した。

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