米Intelは現地時間2016年9月5日、ディープラーニングやコンピュータビジョン向けのSoC(System on a Chip)を開発する米Movidiusに対する買収計画を明らかにした。両社の技術を統合し、ドローンやロボット、仮想現実(VR)ヘッドセットなどの分野に、コンピュータビジョンおよびディープラーニング向けソリューションを提供したいとしている。

 Movidiusのビジョンプロセッサは、米Googleの3次元(3D)視覚認識プラットフォーム「Tango」をベースにした第1世代デバイスに搭載されたほか、中国DJIが「Phantom 4」ドローンに採用して衝突回避能力を向上させている(The Vergeの報道)。

 Intelは、Movidius買収によって取得する、ディープラーニングや深度処理、ナビゲーション、マッピング、ナチュラルインタラクション向けアルゴリズムを、3Dモーションカメラ技術「RealSense」の最適化および強化に利用する。

 RealSenseカメラによる追跡、ナビゲーション、マッピング、物体および状況認識機能と、低消費電力で高性能なMovidiusのSoCを組み合わせることで、熱やバッテリー寿命、フォームファクターなどの課題を克服できると期待している。特にVRや拡張現実(AR)および融合現実(MR)、ドローン、ロボット、デジタル監視カメラに関する取り組みに、こうした技術を活用していくという。

 Intelは8月の「IDF」開発者会議で、RealSense技術を用いた無線VRヘッドセット開発プロジェクト「Project Alloy」を発表しており、Movidiusのビジョンプロセッサはこれに合致すると、米CNETは報じている。

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