スカパーJSATは2016年9月5日、2017年度第1四半期に低軌道衛星向け地上局サービスを開始すると発表した。サービス開始に先立ち、スカパーJSATの茨城ネットワーク管制センターに地上局設備を構築する。

 低軌道衛星とは、静止衛星よりも低い高度に打ち上げる衛星のことで、衛星が地球を周回する。低軌道衛星を通信の分野に使うと、通信遅延を低減したり、機器を小型化できることが特徴となる。観測(リモートセンシング)の分野に使うと、赤外線やレーダーなどを使って様々な用途の観測が可能になり、その撮影画像の分解能が向上することが特徴となる。

 スカパーJSATによると、低軌道衛星は衛星の小型化や、廉価な衛星打ち上げサービスの拡大といった背景から、革新的な成長の可能性がある分野として注目されている。ところが、これまで低軌道衛星向けの地球局サービスは欧米を中心に展開されており、アジア・太平洋地域への本格進出はこれからの段階という。

 そこで、スカパーJSATは静止軌道上に現在17機の通信衛星を保有するなどアジア最大の衛星通信事業者として、あるいは静止衛星の管制・運用で培った技術力や経験をベースに、低軌道衛星の地上局サービスに参入することにした。今後、アジア・太平洋地域における低軌道衛星向け地上局サービスを展開する。

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