韓国Samsung Electronicsの大画面スマートフォン「Galaxy Note7」のリコールは約10億ドルのコストがかかるとの試算を米Bloomberg英Financial Timesが現地時間2016年9月5日に報じた。

 Samsungは、Galaxy Note7の自主回収プログラムを9月2日に発表した(関連記事:Samsung「Galaxy Note7」を自主回収 対応に批判も)。同社は9月1日時点でGalaxy Note7のバッテリーに関するトラブル報告を世界で35件受け取り、分析の結果、バッテリーセルに問題があることを確認し、回収および交換することを決定した。

 Bloombergによると、Galaxy Note7は8月19日に発売開始されて以降、10カ国で推計250万台販売された。回収費用について問われたSamsungスマートフォン事業の責任者であるDong-jin Koh氏は「痛ましい金額」と答えという。

 しかし、同社の2016年の純利益は約206億ドルにのぼるみこみで、回収費用はその5%に満たない。また、費用の一部をサプライヤーが負担する可能性がある。

 米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)によると、Galaxy Note7向けのバッテリーはグループ会社の韓国Samsung SDIが65%、TDK傘下の中国Amperex Technology(新能源科技)が35%を担っている。

 Samsungは問題のバッテリーセルの供給元を明かしていないが、SamsungがSamsung SDIへの発注を中止したとWall Street Journalや韓国の英字新聞「Korea Hearald」が報じていることから、Samsung SDIの部品に欠陥があったと考えられる。

 Samsungは、販売されたGalaxy Note7のうち影響のあった製品は「わずか0.01%」と述べているが、販売された250万台の65%にSamsung SDIのバッテリーが搭載されているということは、162万5000台に不具合が発生する可能性があると、米Forbesは指摘している。

 SamsungはGalaxy Note7を2016年第3四半期に400万~500万台、第4四半期に800~900万台出荷する計画だったという。