中国Didi Chuxing(滴滴出行)が米Uber Technologiesの中国事業Uber Chinaを買収する計画に関して、中国の独占禁止関連当局が調査を開始したと、複数の海外メディア(米New York Times英Financial Times米Forbesなど)が報じた。中国商務部の報道官が現地時間2016年9月2日に記者会見で明らかにした。

 UberとDidiは8月1日に、DidiによるUber China買収で合意したと発表した(関連記事:中国配車サービスDidiがUberの中国事業を買収へ)。DidiはUber Chinaのブランド、事業拠点、データを含む全資産を取得する。Uber Chinaのブランドを維持し、中国でのサービスを継続する。Uber China統合後のDidiの企業価値は350億ドルと見積もられる。

 商務部報道官によると、両社の合意発表後、同買収計画は独占禁止法に抵触するのではないかとの苦情や疑問が寄せられた。Didiは両社の合意を商務部に報告していなかったため、商務部は2度にわたってDidi幹部と面談し、買収計画に関する詳細な説明を求めたという。調査は「関連市場の公正な競争を保護し、消費者および公共の利益を守るため」だとしている。

 Didiは商務部に報告しなかった理由として、DidiとUber Chinaの売上高は4億人民元を下回り、調査対象にならないためと主張した。

 なお中国では、米Comcastによる米DreamWorks Animation買収の計画についても独占禁止法に基づく調査を始めることを、中国当局が明らかにしている。