フィリピンで日本企業向けソフトウエア開発などを手掛けるAWSホールディングスは2016年9月1日、「ZMPフォーラム2016」で自動運転車を開発する企業向けのテストツールを発表した(写真1)。カメラで速度メーターを撮影し、その画像からメーターの動きやブレーキランプの点灯といった挙動を検知する。

 これにより、車内の機器が車載ネットワークの命令信号に対して正常に動作するかを自動でテストできる。このテストツールは、同社がモバイルアプリやPC用ソフトの開発で使っていたツールを基に開発したもので、自動車関連企業にライセンス販売するという。

写真1●発表したテストツールのデモ機。車載ネットワーク信号を出力するシミュレーション機能があり、速度メーターや車載ディスプレイの動作テストを自動化できる
写真1●発表したテストツールのデモ機。車載ネットワーク信号を出力するシミュレーション機能があり、速度メーターや車載ディスプレイの動作テストを自動化できる
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 登壇したAWSホールディングス取締役 グローバル事業本部の石川正史事業部長(写真2)は「自動車を制御するソフトウエアのコードは約1億行と、金融システムのコア部分と同じくらい巨大だ。自動運転でさらに制御システムが増え、テスト項目は膨大になる」とし、自動テストツールの重要性を訴えた。

写真2●AWSホールディングス取締役 グローバル事業本部の石川正史事業部長
写真2●AWSホールディングス取締役 グローバル事業本部の石川正史事業部長
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 ブレーキランプや速度メーターといった、一般的なメーターは自動で認識できるように機能を拡張する予定。顔認証システムの開発経験から得た深層学習を使うシステム開発のノウハウを活かし、テストに必要な設定作業を簡略化していくという。自動運転自動車を開発するZMPと協業し、このテストツールをZMPに提供するものとみられる。