エフエム東京が中心となって設立した「i-dio(V-Lowマルチメディア放送)」事業全体を推進する持株会社のBICは2016年9月1日、「i-dio」放送とケーブルテレビが連携する試みとして、「CATV網を活用した自治体情報配信実験協議会」を組織化し参画、複数の自治体の協力を得て、2016年9月26日から10月25日まで実証実験を開始すると発表した。

 自治体からの防災情報などをi-dioとケーブルテレビ経由で住民に向けて配信する。実験は、「i-dio」の放送波を使って防災情報を一斉同報するシステム「V-ALERT」(関連記事)の仕組みを使って実施する。

 実験に参加する各自治体が配信する防災情報や避難情報、自治体からのお知らせなどのメールを放送局で受信する。その内容を自動音声合成の仕組みを使って音声に変換し、音声と本文のテキストの両方をそのまま「i-dio」の放送波を使って配信する。放送波で配信された情報はケーブルテレビ局のアンテナで一旦受信された後に、ケーブルテレビ網を経由して再放送される。実験に参加する各自治体の施設などで有線接続された「i-dio」対応端末で受信する。

 実験には、BICのほか、東京マルチメディア放送、VIP、東京ケーブルネットワーク、J.COTT、DXアンテナ、日本アンテナが参加する。総務省 関東総合通信局もオブザーバー参加する。荒川区、千代田区、文京区(いずれも東京ケーブルネットワークのサービス提供自治体)の協力を得て実施する。

 検証項目は、「i-dioのケーブルテレビによる再放送時の品質検証」「エリアコード付き自治体情報の伝達と受信の検証」「ケーブルテレビ網を活用した自治体情報伝達に関する行政の評価検証」など。実証実験終了後は、これら検証項目の取りまとめを行い、ケーブルテレビ網を活用した自治体情報配信サービスを本格的に展開し、住民への情報伝達手段の拡充に向けた活動を実施する方針。

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