日本マイクロソフトは2016年8月30日、パートナー企業向けの年次イベント「Japan Partner Conference 2016 Tokyo」を開催した。クラウドパートナー企業を2016年度と比べて2倍の1200社に増やすための施策「Advanced Support for Partners」など、パートナー向けの各種支援策を説明した。

 基調講演に登壇した日本マイクロソフトの平野拓也社長は、「2016年はAR(拡張現実)やロボット、AI(人工知能)、IoT(インターネット・オブ・シングズ)を駆使した第4次産業革命が本格的に始まる」と語った(写真1)。第4次産業革命を実現する上ではクラウドの活用が欠かせないとした。

写真1●基調講演に登壇した日本マイクロソフトの平野拓也社長
写真1●基調講演に登壇した日本マイクロソフトの平野拓也社長
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 平野社長は、2017年度末までに日本法人の売り上げに占めるクラウドの割合を半分に引き上げる方針を打ち出している。基調講演でも「2016年度の第4四半期は32%まで伸びた。5年前はクラウドに対して懐疑的な顧客も多かったが、現在は非常に速いペースで成長している」と強調した。

クラウド活用で300兆円市場に切り込む

 イベントに参加したパートナー企業に向けて、平野社長はクラウドの活用に大きなビジネスチャンスがあると訴えた。平野社長は「IT/ICT市場は約500兆円ある国内総生産(GDP)の約5%にすぎない。生産性向上など人件費削減に関連する分野を加えてもせいぜい25%程度だ」と話す。今後クラウドの活用により「製造業やサービス業におけるモノやサービスの製造コストを削減する分野に進出できる。これらはGDPの約60%を占める大きな市場だ」とした(写真2)。

写真2●クラウドの活用により国内総生産の約6割を占める製造業やサービス業でのビジネスチャンスが広がると説明
写真2●クラウドの活用により国内総生産の約6割を占める製造業やサービス業でのビジネスチャンスが広がると説明
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