採用・転職サイト運営のエン・ジャパンは2016年8月29日、求人企業向けの無料採用サイト作成サービス「engage(エンゲージ)」の提供を始めた。社名などを登録すれば、完全無料で利用できる。7月から事前登録を受け付けており、すでに1万社以上の申し込みがある。2017年3月までに、1万社が実際に採用サイトを構築して採用活動を行うことを目指す。

写真1●無料採用サイト作成サービス「engage(エンゲージ)」の編集画面
写真1●無料採用サイト作成サービス「engage(エンゲージ)」の編集画面
(出所:エン・ジャパン)
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 engageは無料で使えるWebサイト作成ツールの一種だが、求人企業向けに特化しているのが特徴だ。エン・ジャパンが他サービスで培ってきたノウハウを反映している。編集画面では、求職者が見たい情報の代表格である「メッセージ」「会社のこと」「事業内容」「働く環境」「一緒に働くメンバー」「福利厚生」の6項目について標準テンプレートを用意(写真1)。任意の自由項目を追加することもできる。

 これらに関する写真とテキストなどのコンテンツを入力するだけでサイトを作成・公開できる。コンテンツ制作時間を除けば、1時間程度の操作で手軽にサイトを公開できる。

写真2●engageを担当する伊達雄介中途採用メディア事業部企画部マネージャー(左)と、寺田輝之執行役員デジタルプロダクト開発本部長
写真2●engageを担当する伊達雄介中途採用メディア事業部企画部マネージャー(左)と、寺田輝之執行役員デジタルプロダクト開発本部長
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 伊達雄介中途採用メディア事業部企画部マネージャー(写真2左)は「一般に人間関係の問題は転職理由の上位で、求職者にとって切実だが、求人企業の採用サイトでは『働く環境』などの情報を詳しく提供していないことが多い。テンプレート化することで、求職者が欲しがる情報を得やすいように設計した」と説明する。

 Webから応募する求職者の情報管理機能や、面接設定・合否連絡などに使えるメッセージ機能も用意している(写真3)。エン・ジャパンの既存サービス「エン転職」に登録している約500万人の転職希望者に「スカウト」連絡する機能もある。

写真3●
写真3●
(出所:エン・ジャパン)
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 engageは無料サービスであるため、これ自体で収益を得ることはない。寺田輝之執行役員デジタルプロダクト開発本部長(写真2右)は「人材サービス市場全体の持続的な発展を考えると、採用・転職した人が定着し『入社後活躍』することが重要だ。そのために、求人企業がengageで手軽に求職者向け情報を発信できるようにすることで、入社前と入社後の情報ギャップを埋められるようにしたい」と説明する。無料サービスを通じて、既存の採用・転職支援サービスの新規顧客を開拓し、求人広告の出稿増などの収益化を図る狙いだ。

engageのWebサイト