セイコーエプソンは9月1日、コンシューマー向けインクジェットプリンター「Colorio」(カラリオ)シリーズなど、2017年モデル7機種を発表した。最も売れ筋となる「EP-879A」の最大の目玉は、本体の小型化(写真1)。4年ぶりに製品設計を全面的に見直して、元々小さかったコンパクト性にさらに磨きをかけた。35cmを切る本体の横幅は、競合メーカーの現行モデルで最も小さい。

写真1●中核となる新機種を前に、中央はColorioの新キャラクターに起用された吉田羊さん。向かって左はエプソン販売 代表取締役社長の佐伯直幸氏。右はセイコーエプソンでプリンター事業部長を務める久保田孝一氏。
写真1●中核となる新機種を前に、中央はColorioの新キャラクターに起用された吉田羊さん。向かって左はエプソン販売 代表取締役社長の佐伯直幸氏。右はセイコーエプソンでプリンター事業部長を務める久保田孝一氏。
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 同社は昨シーズンに中期商品戦略として、インクのコストを気にせずに“気兼ねなく印刷できる”という新路線を打ち出し、本体価格を上げる代わりに交換インクを従来の半額近くに抑えた新たな製品シリーズを投入したが、今回はその第2弾となる製品も発表した。写真高画質が売りの「Colorio V-edition」(カラリオ ブイエディション)は、より手頃な価格の「EP-30VA」を追加。文書印刷向けの「エコタンク搭載モデル」も、ADFやファクスを搭載しない、よりコンパクトな「EP-M570T」を追加してラインアップを強化した。

 その他のカラリオはマイナーチェンジ。1枚手差しでA3印刷が可能な「EP-979A3」はソフト面を強化。低価格モデルの「EP-709A」や「PX-049A」は速度性能や使い勝手をそれぞれ向上。はがき専用プリンター「PF-81」は、同梱する年賀状デザイン集の冊子を2017年版に改訂して「PF-81-2017」として発売する。単機能プリンターの「EP-306」「EP-4004」「PX-105」と、ラベルシールが簡単に作れるA5対応のカラリオミー「PF-71」は、既存モデルの販売を継続する。

 新モデルの出荷開始は、マイナーチェンジのEP-979A3、EP-709A、PX-049A、PF-81-2017は9月15日。今回新規投入となるEP-879A、EP-30VA、EP-M570Tは10月の予定。

 発表会の冒頭、エプソン販売の佐伯社長は「カラリオは生活の中にある身近な存在でありつづけたい」として、引き続き“気兼ねなくプリント”という新たな価値提案を提供していきたいと話した。インクコストを気にして抑えていた印刷ニーズを掘り起こし、プリントボリュームを伸ばしていく。従来のカラリオの基本路線と、低ランニングコストの新路線を両輪として伸ばしていく考えだ(写真2)。

写真2●エプソンは従来の「Colorio」に加え、低ランニングコストで“気兼ねなくプリントできる”「Colorio V-edition」と「エコタンク搭載モデル」を伸ばしていく構想だ。
写真2●エプソンは従来の「Colorio」に加え、低ランニングコストで“気兼ねなくプリントできる”「Colorio V-edition」と「エコタンク搭載モデル」を伸ばしていく構想だ。
(出所:セイコーエプソン)
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