米IDCが現地時間2016年8月29日に公表した世界のパソコン市場に関する調査によると、2016年の年間出荷台数は2億5600万台となり、前年実績から7.2%減少する見通し。

 同社は6月に公表したリポートで、2016年の出荷台数が同7.3%減少すると予測していたが、今回これを若干上方修正した。同年第2四半期(4~6月)の出荷台数が前年同期比4.1%減となり、先の予測より3ポイント以上改善したことがその理由という。米国、西欧、中南米で、再び在庫の積み増しがあったことがその主な要因と同社は分析している。ただし為替相場、物価、ブレグジット(英国のEU離脱)といった経済、政治の不安定性がマイナス要因となり、第2四半期の勢いは年後半まで続かないと同社は見ている。

 ただ、今回のリポートでIDCは、2017年の出荷台数が前年比で2.1%減になると報告している。パソコン市場は徐々に安定化の方向に向かっており、2018年にはわずかながらもプラス成長に転じるという。これまで、スマートフォンやタブレットなどのデバイスとの競争や、買い替え周期の長期化がパソコン市場低迷の要因だったが、これらが与える影響は小さくなりつつあるという。これにより今後、法人分野で買い替えが進むと同社は予測している。

 2020年までの予測期間に、法人向けノートパソコンの伸び率は約5%に達し、法人向けデスクトップパソコンは横ばいに回復する。これに対し消費者向けはノートパソコン、デスクトップパソコンともに減少するとIDCは見ている。

 IDCが定義する「パソコン」とは、デスクトップパソコン、ノートパソコン、超薄型ノートパソコン、Chromebook、ワークステーションなどで、これには、着脱式キーボードが用意されるタブレット(デタッチャブル型)は含まず、米AppleのiPadや米MicrosoftのSurface Pro、Androidタブレットなども含まない。

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