ドローン最大手である中国DJIの日本法人DJI JAPANは2016年8月25日、武蔵野美術大学(東京都・小平市)でドローンの講習会を開いた。同大学の学生や教員向けに、操縦方法や飛行上の注意点などを紹介した。操縦体験や安全教育などを通じて、同社製品の利用者を増やすことが狙いだ。

 同講習会はDJI JAPANが毎月4回程度、企業や大学向けに開いているもの。参加費は無料だ。講義を担当した同社Event Marketing Specialist 荻野裕一氏は「ドローンの操縦を体験してもらい、空撮などのビジネスに携わるパイロットを増やしていきたい」と話した(写真1)。

写真1●講習を担当したDJI JAPANの荻野氏
写真1●講習を担当したDJI JAPANの荻野氏
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 講習会で使用したのは、同社の最新機種である「Phantom 4」(写真2)。障害物を検知して停止するなどの安全対策機能を備えているが、操縦者が機体の特性を理解していないために事故につながるケースもある。安全対策機能は「特定条件では作動しないことがある」(荻野氏)ためだ。荻野氏は「ドローンは、自動車を運転するのと同じくらい安全に注意して操縦してほしい」とした。

写真2●講習で使ったのは中国DJIのPhantom 4
写真2●講習で使ったのは中国DJIのPhantom 4
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 2015年12月に航空法が改正され、人口密集地などの指定地域での飛行では、国土交通省への申請が必要となった。申請時には飛行計画の策定や操縦経験などが問われる。

 機体に関する知識などの講習後、武蔵野美術大学の体育館でドローンを操縦する体験会を開催。参加者は順番に、ドローンの操縦を体験した。

 操縦に使うのは、タブレットで操作できる専用アプリケーション「DJI GO」。アプリの画面をタップしたり、なぞったりするだけで、離陸、着陸などの操作は完結する。指定した対象物を画像認識で追跡する、自動追尾システム「Active Track」なども実演した。

 武蔵野美術大学映像学科教授の篠原規行氏は「ドローンの登場で、大掛かりな設備やプロのカメラマンが必要だった高度な撮影技術を、手軽に使えるようになった。学生にはドローンを使った空撮技術などに慣れ親しんでほしい」と話した(写真3)。

写真3●DJI JAPANの荻野氏と武蔵野美術大学の篠原教授
写真3●DJI JAPANの荻野氏と武蔵野美術大学の篠原教授
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