地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は2016年8月29日までに、1月から断続的に起こったマイナンバーカードの「カード管理システム」の障害について、システム構築ベンダー側に損害賠償を求める方針を明らかにした。

 日経コンピュータの取材に対し、J-LIS情報化支援戦略部は「請求額算定について、ベンダー側と調整を始めている。準備ができ次第すみやかに請求する」と説明した。

 J-LISは「カード管理システム」の構築について、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所の5社からなるコンソーシアムに約69億円で発注している(関連記事:マイナンバーの生成システムは69億円で構築、NTTコムなど「大手5社連合」が落札)。発注時の契約には「瑕疵担保責任条項」が含まれており、納品物に欠陥があった場合に損害額を請求できることになっている。

 請求額の上限は発注金額と同額の約69億円。J-LISは「瑕疵担保責任を基に賠償請求を行う。個別企業ではなく5社コンソーシアムに対して請求する。負担割合はコンソーシアム側で決めることになる」としている。

 障害の原因についてJ-LISは、富士通がハードウエア納入・ソフトウエア開発を担当した「中継サーバー」の不具合が主な原因だったと説明しており、5社の中でも富士通の責任が重いとみられる(関連記事:マイナンバーシステム障害を総括、「住基ネット安定稼働への過信」が背景に)。