北國銀行(石川県金沢市)は2016年8月29日、行内のクライアント環境を2016年末までにWindows 10環境に一新すると発表した。具体的には、全行員約2400人に対して新規にWindows 10 Mobile搭載スマートフォンを配布するほか、全行員が現在使用中のタブレットPC「Surface Pro」をWindows 8.1からWindows 10にアップデートする。

 2014年11月にSurface Proを全行員に導入済み。同時にIP電話の「Skype for Business」を導入し、社内のPBX(構内交換機)を廃止した。今回、全行員に対してWindows 10 Mobile搭載スマートフォン「MADOSMA Q501A」(マウスコンピュータ)を追加配布することにした。

 Windows 10 Mobile搭載スマートフォンを導入した理由は、セキュリティと管理性の高さ、Skype for BusinessやMicrosoft Officeなどのアプリケーションと連携することによる生産性の向上、スマートフォンをデスクトップPCのように利用できるContinuumの将来的な活用──などである。

 スマートフォンの追加導入に合わせ、NTTドコモの内線サービス「オフィスリンク」も導入する。これを使うと、携帯電話網(FOMA)を企業の内線として利用でき、外出先から内線番号で呼び出せるようになる。2016年7月中旬から部分的に展開しており、2016年10月には全行展開を完了する予定。

 Surface ProのOSも、2016年末をめどに現状のWindows 8.1 EnterpriseからWindows 10 Enterpriseにアップグレードする。

 クライアント環境をWindows 10に一新するに当たって、Windows関連のライセンスも見直した。具体的には、Office 365やクラウド型セキュリティサービス、サブスクリプション型のWindows OSなどを統合したライセンス「Secure Productive Enterprise E3」に切り替える。

 統合ライセンスでは、従来のデバイス単位のライセンスからユーザー単位のライセンスに変わる。これにより、Surface ProとWindows 10 Mobile搭載スマホ(Windows 10 Enterpriseライセンスで利用)を1ユーザーとして管理できるようになる。