米Amazon.comが書籍販売の実店舗を、新たに3店開設する計画を立てていると英Financial Times米The Verge米Fortuneなどの海外メディアが現地時間2016年8月26日までに報じた。

 それによると、Amazon.comは米イリノイ州シカゴ、カリフォルニア州サンディエゴ、オレゴン州ポートランドに対面販売の書店を開設する計画。このうちシカゴの店舗は2017年にオープンすることが決まっている。またFortuneによると、ニューヨーク市にも同様の店舗が開設されるとの観測が出ているという。

 Amazon.comは昨年11月に、本社があるワシントン州シアトルに同社初の実店舗書店「Amazon Books」を開設した(関連記事:Amazon.com、書籍販売の実店舗を米国でオープン)。

 この店舗では数千冊の書籍を販売するほか、電子書籍端末「Kindle」やタブレット端末「Fireタブレット」、音声アシスタント端末「Echo」、映像配信端末「Fire TV」などの同社製電子機器もそろえている。

 また書籍は「面陳」と呼ばれる、棚に表紙を正面にして立てる方式で陳列している。このほか、書籍にはそれぞれ説明書きを付け、Amazon.comのオンラインストアに寄せられた顧客の評価、予約・販売実績、傘下の読書愛好者向けSNS「Goodreads」の人気度などを反映させている。

 Amazon.comの実店舗計画については今年2月、同社が全米に300~400店の展開を目指していると伝えられ話題になったが、このニュースの情報源となったショッピングモール運営会社、米General Growth Propertiesが後に発言を撤回した。ただ、Fortuneや米Wall Street Journalによると、Amazon.comのJeff Bezos最高経営責任者(CEO)は今年5月に開催した株主総会で、実店舗展開を進めることを株主に約束した。実店舗は顧客がKindleなどの機器を手にとって試せる場所であり、Amazon.comにとって重要だとFortuneは伝えている。