中国Baidu(百度)は自動運転車開発のテスト用車両に、中国Chery Automobile(奇瑞汽車)の電気自動車「EQ」を採用すると、複数の米メディア(TechCrunchEngadgetなど)が現地時間2016年8月26日に報じた。Baiduの広報担当者が、Chery EQを改造した自動運転車を中国でのテストに用いることを、米Business Insiderに明かしたという。

 Baiduはこれまで、米BMWの「3」シリーズをベースにしたプロトタイプ車両を使っていた。北京周辺を18.6マイル(30km)走行し、Uターンや右折/左折、車線変更、合流などを含むテスト走行を実施。2015年12月に、変化に富んだ道路および環境条件での走行実験を完了したと発表した(関連記事:百度が自動運転車の試験走行を完了、公共輸送向け)。その際同社は、一定のルートで100%自律走行する車の開発を目指し、2018年にはシャトルバスのような公共輸送車として実用化したいとの意向を示していた。

 2016年4月には、米国で自動運転車開発の専門チーム「ADU-US」を結成したことを明らかにし(関連記事:百度、自動運転車開発チームを米国に結成 100人超規模目指す)、すでに米国でもテストを始めている。

 Chery EQは、米Googleが自動運転車開発に使っている独自プロトタイプ車より大きいが、BMW 3より小さく、大幅なコスト削減が期待できる。Chery EQベースのプロトタイプ車は中国国内を走行し、信号やカーブの位置といった情報を含む道路地図データを作成する。

 自動運転車の開発にはBaiduやGoogle、米Uber Technologiesなどが取り組んでいることが知られている。Uberは今月、米ペンシルベニア州ピッツバーグにおいて8月末までに自動運転車を配車サービスに導入する計画を明らかにしたが、先手を打つように米nuTonomyが先週、シンガポールで自動運転タクシーの実験サービスを開始している(関連記事:シンガポールで自動運転タクシーの実験開始、MIT発ベンチャーが先手