自動運転車開発の米nuTonomyは現地時間2016年8月25日、シンガポールで自動運転タクシーの実験サービスを同日開始したと発表した。自動運転車の公共テストはこれが世界で初めてという。

 nuTonomyは米マサチューセッツ工科大学(MIT)の2人の研究者が立ち上げた事業。今月初めに、シンガポール陸運局(LTA)から自動運転車開発のパートナーとして認可を取得している。

 タクシーの実験サービスは、シンガポール政府の都市開発プロジェクトによる商業地区「One North」で実施する。同社は4月よりOne Northで走行テストを行っていた。

 タクシーには改造電気自動車を使用する。フランスRenaultの「Zoe」および三菱自動車の「i-MiEV」に自動運転用ソフトウエアやセンサーを搭載する。安全確保のために、nuTonomyのエンジニア1名が同乗する。

 シンガポールの住民は配車アプリケーションを使って自動運転タクシーを呼び、無料で利用できる。ただし実験サービスは招待制で行われ、nuTonomyのWebサイトから招待を申請する。

 nuTonomyは同実験を通じて、ソフトウエア性能、ルート効率、予約プロセス、乗車体験などに関するデータを収集し、検証したいとしている。これらデータをもとにソフトウエアを改良し、2018年の商用サービス開始を目指す。

 自動運転車の開発には米Google、中国Baidu(百度)、米Uber Technologiesなどが取り組んでいることが知られている。Uberは先週、5月より試験走行を行っている米ペンシルベニア州ピッツバーグにおいて、8月末までに自動運転車を配車サービスに導入する計画を明らかにしていた(米The Vergeの報道)。

[発表資料(PDFファイル)]