ネットワンシステムズは2016年8月25日、オンプレミスの拠点やプライベートクラウド、さらにパブリッククラウドを相互に接続するネットワークハブ機能を月額制で提供する「クラウドHUBサービス」を開始した(図1)。ネットワーク設計や運用などの人的サービスと合わせて提供する。
複数クラウド同士を相互接続し、全体として一つの社内ネットワークとして使えるようにするサービスである。ネットワンシステムズが管理するデータセンターの上で、クラウド間を相互接続するハブ機能と、それぞれのクラウドを収容して接続するコネクタ機能を提供する。複数クラウドをつなげて運用するためのネットワークの設計や設定も請け負う。
他のデータセンター事業者のサービスと比べた強みを、同社で市場開発本部ソリューション・サービス企画室シニアマネージャーを務める横山哲雄氏(写真)は、「(ネットワーク系のSIベンダーとして)オンプレミスのネットワーク運用の知見があり、ユーザーはハイブリッドクラウド全体の設計をアウトソースできる」とアピールする。
特徴の一つは、AWS(アマゾンウェブサービス)やAzureなどのパブリッククラウドに直接接続できること。このためのデータセンター基盤として、エクイニクスの東京第4データセンター(TY4)を使っている。ネットワンシステムズが自社サービスとしてパブリッククラウドへの直接接続機能を販売するのは、今回のクラウドHUBサービスが始めて。
サービスメニューは、大きく三つのモジュールで構成する(図2)。(1)「内部ネットワーク」は、クラウド間を相互接続する。(2)「クラウドコネクタ」は、内部ネットワークとパブリッククラウドを専用線で直接接続する。サービス開始時点では、AWSとAzureに直接接続できる。(3)「HUBコネクタ」は、内部ネットワークとオンプレミス/プライベートクラウドを接続する。サービス開始時点では、専用線で接続できる。
2016年8月のサービス開始時点で提供するサービスメニューは表の通り。
カテゴリー | プラン | 価格(月額、税別) | |
---|---|---|---|
内部ネットワーク | 1Gbps共有 | 12万7000円 | |
1Gbps専有 | 44万3000円 | ||
HUBコネクタ | 1Gbpsダイレクト接続(RJ45接続) | 0円 | |
クラウドコネクタ | AWS専有型 シングルコネクト | 200Mbps | 2万9000円 |
500Mbps | 4万4000円 | ||
AWS/Azure専有型 デュアルコネクト | 200Mbps×2本 | 5万8000円 | |
500Mbps×2本 | 8万8000円 | ||
1Gbps×2本 (Azureのみ) | 11万2000円 |
2016年10月と2016年12月の2回に分けてメニューを拡充する。
2016年10月には、HUBコネクタにSD-WAN(ソフトウエアで定義できるWAN)接続を追加する。SD-WANとは、各拠点に専用のエッジデバイスを置き、ネットワーク構成や設定などをセンターの管理コンソールから集中制御できるようにした製品のこと。中小規模の拠点では、専用線を敷設するよりも容易にデータセンターに接続できるようになる。
2016年10月ではさらに、ユーザーが保有するサーバー資源などをデータセンターに設置する「セキュアコロケーション」と、内部ネットワークとインターネットを接続する「インターネットコネクタ」を追加する。
また、ネットワークの運用管理サービスの一つとして、ネットワーク機器の設定情報とログ情報を収集して管理する「DIMS(Device Information Management Service)」(関連記事:ネットワン、シスコ機器のコンフィグとログを収集管理するクラウドサービス)を提供する。
2016年12月には、SaaSなど各種クラウドサービスへのアクセスを可視化するセキュリティ機能としてCASB(Cloud Access Security Broker)を追加する。