ブロックチェーン開発のテックビューロは2016年8月25日、ブロックチェーン技術を使った独自の仮想通貨やトークンの発行を支援するサービス「Zaica」を始めたと発表した。仮想通貨のほか、電子トレーディングカード、企業ポイント、投票券、チケットなどの発行に使える。

 発行したトークンは容易に配布、送信、流通でき、テックビューロが運営する交換所「Zaif」で売買させることもできる。

(出所:テックビューロ)
(出所:テックビューロ)
[画像のクリックで拡大表示]

 発行方式としては、ビットコインのブロックチェーン上でCounterpartyトークンを発行する、NEM上でMOSAICアセットを発行する、テックビューロのソフト「mijin」で構築したプライベートチェーン上で仮想通貨やトークンを発行する、の3方式から選べる。ビットコインやNEM上のトークンを取引する場合は、ビットコインやNEMの仕様に基づく送金手数料がかかる。

 このZaicaを使ったトークンの発行計画としては、フィスコが「フィスココイン」を発行して株主に配布するほか、オウケイウェイヴがQ&Aサイトなどでユーザーに還元できるトークンを発行する予定。Eストアーは、運営するEコマースサイト上で、トークンによるユーザー還元機能を提供する考えだ。

 このほか、インフォテリア、アララ、SJI、カレンシーポートが、Zaicaに関連したシステム開発やツール提供を行う。

 日本では、仮想通貨やトークンの発行自体には明確な法的規制はない。ただ、発行したトークンを対価と引き換えに配布し、トークンを自社の複数サービスに使えるようにした場合、資金決済法における前払式支払手段(電子マネー)とみなされ、規制の対象になる可能性がある。事業収益の配当などを期待させてトークンを販売する行為も規制の対象になり得る。