米HP Inc.が現地時間2016年8月24日に発表した2016会計年度第3四半期(2016年5月~7月)の決算は、プリンター事業が引き続き不振だったものの消費者向けパソコンが回復を見せ、売上高と利益ともに市場予想を上回った。しかし今後については弱気な見通しを示した。

 米国会計原則(GAAP)ベースの売上高は118億9200万ドルで前年同期(2015年7月~9月)と比べ4%減少(為替の影響を除いた場合は1%減少)した。継続事業による純利益は8億4300万ドルで同20%増加。継続事業による希薄化後1株当たり利益(EPS)は0.49ドルで同26%増加した。

 特別項目を除いた非GAAPベースの場合、継続事業による純利益は前年同期比28%増の8億2600万ドル、継続事業による希薄化後EPSは同37%増の0.48ドルとなり従来予測の0.43~0.46ドルを上回った。

 アナリストの予測平均は、売上高が114億4000万ドル、特別項目を除いたEPSが0.44ドルだった(米TechCrunchの報道)。

 事業別の業績を見ると、パソコン事業の売上高は75億1200万ドルで前年同期からほぼ横ばい。企業向けが同3%縮小したが、消費者向けが同8%成長した。製品出荷台数は同4%増加し、ノートパソコンが同12%増、デスクトップパソコンは同6%減だった。

 プリンター事業の売上高は44億2300万ドルで前年同期比14%落ち込んだ。出荷台数は同10%減少し、企業向けが同2%減、消費者向けが同14%減だった。サプライ製品の収入は同18%減少した。

 2016会計年度第4四半期(2016年8月~10月)の業績見通しについては、継続事業による希薄化後EPSとしてGAAPベースで0.22~0.25ドル、非GAAPベースで0.34~0.37ドルを見込む。2016会計年度通年(2015年11月~2016年10月)の継続事業による希薄化後EPSは、GAAPベースで1.46~1.49ドル、非GAAPベースでは1.59~1.62ドルと予測している。

 英Reutersによると、アナリストらは第4四半期見通しとして、非GAAPベースのEPSを0.41ドルと予測していた。今期の見通しがアナリスト予測に届かなかったことから、同社の株価は時間外取引で約6%下落した。

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