パターンファイルではなくアルゴリズムでマルウエアを判定するウイルス対策ソフト「CylancePROTECT」を手掛ける米サイランスは2016年8月24日、日本法人のCylance Japanを8月1日付けで設立したと発表した。社長には金城盛弘氏が就任した。国内での既存の販路に変更はない。

 直近の2016年9月には、マルウエアを収集して調査する拠点を日本国内に設立し、日本固有のマルウエアを収集する予定としている。さらに、プロフェッショナルサービス(エンジニアによる導入支援などの人的サービス)も、パートナー企業を介して国内で提供する予定である。

 CylancePROTECTの最大の特徴は、パターンマッチングや振る舞い検知といった既存の手法ではなく、対象のファイルがマルウエアの特徴を備えているかどうかをアルゴリズムで判定する、という手法を採用したこと。アルゴリズムは、大量のファイルを機械学習にかけることによって自動生成したとしている。

 生成済みのアルゴリズムを、個々のクライアントPC(Windows/Mac/Linux)にインストールするエージェントソフトに搭載している。このため、パターンファイルの更新が要らないほか、インターネットに接続していないオフライン環境でも利用できる。管理サーバーは米サイランスがクラウド上で提供している。

 既存の販路は以下の通り。販売代理店としては、日立ソリューションズがCylancePROTECTを販売している。また、エムオーテックス(MOTEX)がCylancePROTECTのOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受け、クライアント管理ソフト「LanScope Cat」のオプションとして「プロテクトキャット」の名称で販売している(関連記事:感染経路解析機能で総合セキュリティソフトへ、エムオーテックスが「プロテクトキャット」)。