2016年8月24日、コンピュータゲーム開発者向けのイベント「CEDEC 2016」がパシフィコ横浜(横浜市)で開幕した。主催はコンピュータエンターテインメント協会。会期は26日までの3日間。

 初日の基調講演のステージに立ったのは、コンピュータビジョンの著名な研究者である金出武雄・米カーネギーメロン大学(CMU)ロボット研究所ワイタカー記念全学教授(写真1)。

写真1●金出武雄・米カーネギーメロン大学(CMU)ロボット研究所ワイタカー記念全学教授
写真1●金出武雄・米カーネギーメロン大学(CMU)ロボット研究所ワイタカー記念全学教授

 金出氏は動画の中の物体を検出・追跡するためのアルゴリズムとして有名な「Lucas-Kanade法」の考案者の一人。コンピュータビジョンの代表的なオープンソースライブラリ「OpenCV」もモーション解析と物体追跡を実現する関数として「calcOpticalFlowPyrLK」を提供している。末尾のLKはLucas-Kanadeの略。

 基調講演では、金出氏の数々の研究成果が紹介された。例えば、レーザーを使った3次元物体のスキャン(1993年)や、3次元物体のスキャンに時間軸を追加して動きもスキャンできるようにした4次元デジタル化(1995年)、自動車の自動運転による初の全米横断(1995年)などで、いずれも当時としては先駆的な研究ばかり。全米横断では、全道のり98.2%を自動運転で走行している。