米Hewlett Packard Enterprise(HPE)は現地時間2016年8月11日、米SGI(Silicon Graphics International)を買収することで両社が最終合意したと発表した。HPEはSGI株1株につき7.75ドルの現金を支払う。買収総額は約2億7500万ドルにのぼる見込みで、2017会計年度第1四半期中(2016年11月~2017年1月)の手続き完了を目指す。

 HPEはSGI買収により、高性能コンピューティング(HPC)およびデータ解析分野における地歩強化を図る。米IDCの調査では、今後3年のあいだにHPC市場は年間平均成長率6~8%で伸び、データ解析市場は2倍以上に拡大すると予測している。

 SGIは科学や技術関連の企業や政府機関が必要とするHPC向けシステムおよびサービスを手がけている。1980年代に創業し(当時の名称は「Silicon Graphics Inc.」)、2006年に連邦破産法11条の適用を申請。その後米NASDAQに再上場したが2009年に再び連邦破産法11条の適用を申請し、米Rackable Systemsによって買収された(関連記事:RackableがSGI買収を完了,社名を「SGI」に)。米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)によると、同社は1995年には企業価値70億ドル以上と見積もられた。

 現在、従業員は世界で約1100人。2016会計年度(2015年7月~2016年6月)の年間売上高は5億3300万ドルで、米国会計原則(GAAP)ベースの純損失は1100万ドル(1株当たり0.31ドル)だった(SGIの決算発表)。

 HPE執行バイスプレジデント兼エンタープライズグループ部門担当ジェネラルマネージャーのAntonio Neri氏は、「HPEでは大量データを扱う組織を支援することに焦点を当てている。SGIの革新的技術とサービスは、HPEのデータセンター向けソリューションを補完するものだ」と述べた。

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