リクルートマーケティングパートナーズ(東京・中央)とリクルートテクノロジーズ(東京・千代田)は2016年8月9日、パートナーズが運営する中古車情報サイト「カーセンサーnet」で、ディープラーニングを応用した画像解析技術による検索機能を実装したことを発表した。同日までに「『内装色』による絞り込み検索」として利用可能になっている(図1)。

図1●「カーセンサーnet」の内装色検索機能
図1●「カーセンサーnet」の内装色検索機能
(出所:リクルートマーケティングパートナーズ)
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 カーセンサーnetでは従来、「本体色(外装色)」による検索のみを実装しており、内装色は検索対象にできなかった。市場調査で内装色を重視して中古車を探す人が多いことが分かっていたが、情報を登録する中古車販売店に内装色を新たに入力してもらう負担が課題になったという。

 そこで、リクルートテクノロジーズが開発する画像解析APIである「Image Paradise(イメージパラダイス)」を採用。販売店が登録した複数の写真画像を解析し、「(1)内装の画像かどうか」「(2)内装色は何色か」という2段階で自動判定する(図2)。

図2●内装色判定の手順
図2●内装色判定の手順
(出所:リクルートマーケティングパートナーズ)
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 (1)については、事前に用意した約1万枚の画像を「教師データセット」として解析し、内装画像判別モデルを作成。販売店が登録した画像から、「最も内装画像の確率が高い」ものを特定する。判別精度は約90%という。(2)については、内装画像の中から、ダッシュボードや天井などではなく、シートの部分を抽出し、これを内装色として判定する。判別精度は約77%だという。

 (1)と(2)を内装色検索の元データとすることで、利用者が望む内装色の中古車を検索しやすくしている。試験的に行った「A/Bテスト」によれば、内装色検索機能の利用者は、非利用者と比べてコンバージョン率(販売店への問い合わせに至る確率)が高く、一定の効果が認められた。

 Image Paradiseはもともと、同じリクルートグループが運営する「ホットペッパービューティー」のスマートフォンアプリ向けに開発された。ネイルサロンなどがネイルを撮影した画像から、デザインと色を自動判別し、検索時に活用できるサービスとして提供している。今回は、これと同じアルゴリズムを中古車の画像判別に適用した。