米Amazon.comは現地時間2016年8月5日、自社ブランドの貨物航空機「Amazon One」を利用した輸送業務を開始したことを発表した。同社本社がある米ワシントン州シアトルで開催された「Seafair Air Show」でAmazon Oneを披露した。

 Amazon.comが航空機を使った輸送業務の計画を進めていることは昨年12月から報じられ(関連記事:Amazon.com、自前で空輸業務開始か Boeing 767約20機を賃借)、2016年5月には続報が伝えられた(関連記事:Amazon、大手貨物航空に出資 ボーイング20機を追加リース)。

 Amazon Oneは、米Boeingの「767-300」型機を用いる。大手貨物航空会社の米Atlas Air Worldwide Holdingsと米Air Transport Services Group(ATSG)から合計40機のBoeing 767-300をリースすることで提携しており、現在11機が運航している。Atlas AirがAmazon Oneの運用を担当する。

 Amazon.comワールドワイドオペレーション部門担当上級バイスプレジデントのDave Clark氏は、「空輸ネットワークの構築により、今後何年にもわたる『Prime』会員への即日配達を確実なものにする」と述べた。

 同社は2013年の年末商戦で配送遅延の混乱を経験したのをきっかけに、米UPSや米FedEx、米郵便公社(USPS)といった外部輸送業者への依存を減らしたいと考えるようになったとされている。Amazon Oneのほか、自社ブランドのトラックを使用する輸送ネットワーク(関連記事:Amazon.comが数千台の輸送トラック導入 配送を効率化)、小型無人飛行機(ドローン)を用いた配送システム(関連記事:Amazon.com、ドローン配送システムの実験で英国政府と提携)の構築などに力を入れている。

 なおAmazon.comは、「輸送パートナーと競合する意図はなく、とりわけ年末商戦シーズンに向けて輸送能力を増強する必要があるため」と述べている(米CNETの報道)。

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