英製薬会社のGlaxoSmithKline(GSK)は現地時間2016年8月1日、米Googleの持ち株会社である米Alphabetの子会社Verily Life Sciencesと医療関連の合弁会社を設立することで合意したと発表した。年内に手続きを完了する見込み。

 合弁会社の名称は「Galvani Bioelectronics」。生体電子工学の研究、開発、商品化を手がける。出資比率はGSKが55%、Verilyが45%。両社は向こう7年間で最大5億4000万ポンドを投資する。

 生体電子工学は比較的新しい分野で、電気刺激により神経を通る電気信号の異常を修正し、糖尿病や喘息などさまざまな慢性疾患を治療しようというもの。GSKは2012年より生体電子工学に積極的に取り組んでいるという。

 新会社は英スティーブニッジにあるGSKグローバル研究開発センター内に本社を置き、米サンフランシスコ南部のVerily施設内に研究ハブを構える。当初は約30人の科学者、エンジニア、臨床医を雇用する。新薬開発と疾患生物学に関するGSKの専門知識と、Verilyの埋め込み可能な省電力小型器機およびソフトウエア開発とデータ解析の技術を持ち寄る。

 新会社の社長にはGSK生体電子工学研究開発部門担当バイスプレジデントのKris Famm氏が就任する。GSKワクチン事業のMoncef Slaoui会長が新会社の取締役会会長となり、VerilyのAndrew Conrad最高経営責任者(CEO)も取締役に就く。

 VerilyはもともとGoogleで次世代製品研究を手がけていた「Google X」内の生命科学プロジェクトとして2012年にスタートした。2015年10月のAlphabet設立の際に、GooglとGoogle Xは別事業としてAlphabet傘下で運営されるようになり、生命科学プロジェクトは「Google Life Sciences」部門に、そして2015年12月にVerilyとして独立事業となった(関連記事:Google Life Sciences部門が独立事業「Verily」として始動)。

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