米IDCが現地時間2016年7月28日に公表したスマートフォン市場に関する調査によると、同年第2四半期(4~6月)の世界出荷台数(速報値)は3億4330万台で、前年同期からの伸び率は0.3%と、ほぼ横ばいにとどまった。これで世界スマートフォン出荷台数は2四半期連続で成長が見られなかった。

 同年第2四半期の出荷台数をメーカー別に見ると、韓国Samsung Electronicsが7700万台(シェア22.4%)で首位を維持し、これに米Appleが4040万台(同11.8%)で次いだ。このあと、中国Huawei Technologies(華為技術)の3210万台(同9.4%)、中国Oppo Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信)の2260万台(同6.6%)、中国vivo(維沃移動通信)の1640万台(同4.8%)と続いている。

 このうち首位の韓国Samsung Electronicsの出荷台数は前年同期から5.5%増えた。同社は3月に発売した旗艦モデルの新製品「Galaxy S7」「同S7 edge」が成功したことに加え、低価格モデル「J Series」が先進国と新興国市場でともに好調だった。

 一方、Appleの出荷台数は前年同期から15.0%減少。iPhoneの同年第2四半期における出荷台数は、過去7四半期で最も少なかった。ただし3月末に発売した4インチモデル「iPhone SE」は、先進国や新興国で、初めてスマートフォンを購入する利用者層を取り込んだり、Android端末からの買い替えを促したりした。これにより、iPhoneの同四半期における平均販売価格(ASP)は595ドルとなり、前年同期の662ドルから10.1%低下した。

 3位のHuaweiの出荷台数は前年同期から8.4%増加した。同社の端末は中国と欧州で販売が好調だった。また4位と5位のOppo、vivoの出荷台数前年同期比伸び率はそれぞれ136.6%と80.2%だった。これらのメーカーはこれまで自国の中国市場をターゲットにしてきたが、最近は他国市場に進出している。またこれら中国メーカーは、多くの消費者が関心を持つ、画質/音質/デザインを高めた高級スタイルの低価格端末を市場投入し、成功を収めているとIDCは分析している。

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