写真●日立製作所 執行役専務 CFO(最高財務責任者)の西山光秋氏
写真●日立製作所 執行役専務 CFO(最高財務責任者)の西山光秋氏
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 日立製作所は2016年7月29日、2016年4月~6月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比7.9%減の2兆1304億円、営業利益は同20.7%減の914億円で減収減益となった。日立物流と空調事業の再編が合計1350億円、円高が1200億円の減収要因となった。このほか、前年度に見られた金融や公共分野でのSI案件の反動減も響いた。2017年3月期に投じる800億円の事業構造改革費用のうち60億円を、4月~6月期に通信ネットワーク事業に投じたことも明らかにした。

 会見に臨んだ日立製作所 執行役専務 CFO(最高財務責任者)の西山光秋氏は「前年度は金融や公共分野での大型案件の特需がピークを迎えた。今期はその反動で売り上げ規模が縮小したものの、国内のIT投資は堅調に推移している」とした(写真)。

 「情報・通信システム」部門の4月~6月期の業績を見ると、減収増益となった。売上高は前年同期比4%減の4350億円。公共分野の大型案件や、海外向けATMなどが減少したことが大きい。営業利益は同32億円増の122億円。「通信ネットワーク事業を中心に前年度に投じた事業構造改革の効果などが現れている」(西山氏)という。

 2017年3月期の連結業績予想は、売上高は前年同期比10.3%減の9兆円、営業利益は同14.9%減の5400億円と据え置いた。英国の欧州連合(EU)離脱決定による、欧州事業への影響は軽微とする一方で、「為替変動など、経済動向が不安定なことから、通期の業績見通しについては4月~9月期で見直しを検討していきたい」とした。