IDCフロンティアは2016年7月28日、事業説明会を開催し、下半期の事業戦略について発表した。2016年第3四半期(10月から12月)にディープラーニングでの利用を想定したGPUコンピューティング環境を提供。第4四半期からは、ファイルストレージサービスを提供する予定という。
今回の発表は概要と時期のみで、GPUコンピューティングやストレージサービスなどの具体的な提供期日や提供方法、価格などは明らかにされなかった。
事業説明会では、代表取締役社長の石田 誠司氏が事業戦略に関して、「サーバーの『切り売り』ではなく、本当の意味でのデーターセンター事業を展開する」と宣言。今後はデータを中心にした「Data Centric Cloudにシステムの再デザインを行う」(石田氏)という。
IDCフロンティアがクラウドサービスで提供してきたメリットとあわせて、「その上に企業が所有するデータを統合し、さらにディープラーニングによって深掘りすることで新たな価値を生み出す取り組みが重要になる」(石田氏)と、今後の方向性を示した。
東京で初公開の「Tesla P100」
事業説明会には、ゲストとしてエヌビディア合同会社マーケティング本部 エンタープライズマーケティングマネージャーの佐々木 邦暢氏が登場。佐々木氏は、GPUを計算能力に使うGPGPUに関して、「エヌビディアが提唱する『CUDA(Compute Unified Device Architecture)』が提供されてから10年が経過したが、ここ数年の人工知能は非常に進化している」と言及。「ニューラルネットワークが、ビッグデータとGPUによる演算能力の向上によって、大きく進化した」と指摘した。
その一例として、画像認識のコンテスト「ImageNet Large Scale Visual Recognition Competition(ILSVRC)」でディープラーニングが使われてから認識率が大幅に向上したケースを紹介。昨年のマイクロソフトリサーチの研究では、誤認識率で人間の5%を下回る3.5%という精度を達成したという。
さらに、佐々木氏は、現時点で最新のPascal世代の製品である「Tesla P100」を「おそらく東京では初披露」として披露した。「ぜひ、IDCフロンティアに採用いただきたい」(佐々木氏)。