米沢市や函館市、新潟市、福島市などでケーブルテレビ事業などを展開しているニューメディアは、ケーブルテレビのコミュニティチャンネルを使い、テレビ画面に多チャンネルで放送中の画面をズラリと並べて表示して、多チャンネルサービスを訴求するツールを開発して、函館市と新潟市で導入している。ケーブルコンベンション2016の関連イベントとして2016年7月28日と29日に開催されている「ケーブル技術ショー2016」(東京国際フォーラム)で、このシステムを共同開発したメディアキャストのブースでデモ展示している。

 コミュニティチャンネルの映像信号として、テレビ画面を20分割して多チャンネル放送の放送画面を割り当てた映像(実際にはABの2画面で40ch分)を送信する。この画面にデータ放送をかぶせることで、多チャンネル加入者は、分割された細かな映像を見て興味のあるチャンネルにリモコンのカーソルを合わせて操作すると、該当のチャンネルの放送に切り替わる。

 一般的に多チャンネル放送の加入者が能動的に視聴するチャンネルの数は限られる。目に見える形で放送中の画面をズラリと紹介することで、関心のなかったチャンネルを視聴する機会が増えて多チャンネルの利用率が上がったり、その結果ケーブルテレビの解約率が低下することが期待できる。

 未加入者がこのコミュニティチャンネルを見た場合は、カーソルを合わせてリモコンを操作すると、番組の紹介と問い合わせ先を記載した画面がポップアップ表示される形とした。新規加入の促進ツールとして利用できる。

 なお、いわゆる「ただ見」を避けるため、分割画面に表示される映像を定期的に切り替えられるようにした。この切り替えに合わせて、画面にかぶせるデータ放送の構成などを変更させる仕組みなどを、データ放送専業メーカーであるメディアキャストが開発した。

 この仕組みに必要なのは、コミュニティチャンネルの放送とデータ放送だけなので、テレビやSTBをネットに接続したり、高機能なSTBを導入したりすることなく実現できる。