英国の市場調査会社Canalysが現地時間2016年7月26日に公表した世界スマートフォン市場に関する調査によると、同年第2四半期(4~6月)における出荷台数は約3億3000万台となり、前年同期からプラス成長した。ただし同社によると、これは前年同期の実績が振るわなかったことの反動。第2四半期の出荷台数は、同じく不振だった前の四半期から横ばいで推移したという。

 第2四半期のメーカー別出荷台数を見ると、韓国Samsung Electronicsが首位を維持し、これに米Apple、中国Huawei Technologies(華為技術)の順で続いた。このうちSamsungの出荷台数は約8000万台。同社は旗艦モデルの「Galaxy S7」の成功に加え、低価格端末に重点を置かないマーケティング戦略が奏功した。また仮想現実(VR)ヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」をバンドルしたことも旗艦モデルの販売押し上げ要因になったという。

 Appleの出荷台数は約4000万台。iPhoneの出荷台数は2四半期連続で前年実績を下回った。Canalysによると、今年3月末に発売した「iPhone SE」の業績にもたらす効果は限定的だった。iPhone SEはApple製品としては低価格だが、同社が狙っている中国やインドなどの市場では依然割高。多くの消費者は地場メーカーの製品を選んでいるとCanalysは分析している。

 またHuaweiの第2四半期中の出荷台数は約3100万台だった。Huaweiの出荷台数は中国市場で記録を更新し、EMEA(欧州、中東、アフリカ)市場でも引き続き伸びた。CanalysのTim Coullingシニアアナリストによると、Huaweiは中国市場で首位を維持するなど2016年は好調なスタートを切った。だが同社が目指す、1億4000万台の年間出荷台数目標を達成するためには、今後も記録を更新し続け、米国市場における地位を向上させる必要があると、Coulling氏は指摘している。

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