Rettyの月間利用者数の推移
Rettyの月間利用者数の推移
(出所:Retty)
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 実名のクチコミによるグルメ情報サービスを運営するRetty(レッティ)は2016年7月28日、新たに11億円の資金調達を実施した。WiL、ABCドリームベンチャーズなどを引受先とした第三者割当増資を実施した。同時に月間利用者数(MAU)が2000万人を超えたことも明らかにした。調達した資金を人材強化やシステム投資に充当。海外展開を視野に事業拡大を加速する。

 新たな資金調達により、資本金(資本準備金を含む)は約14億円から約25億円になった。WiLなどの出資比率は非公表。

 同社サービスのMAUは2016年5月時点で2200万人。2011年にサービスを始め、昨年5月に1000万人を超えた。最初の1000万人超えは3年半かかったが、2000万人超は1年で達成している。

 ただ、今後もこの高い成長ペースを維持できるとは限らない。そこで同社が目指すのが海外展開だ。具体的な計画は非公表だが、2020年に1億人というMAUの目標を達成するためにも海外展開は欠かせないとみる。

 同社は調達資金を基に、人材面の強化を図る。エンジニアやデザイナーといった人材の採用に加え、同社の武田和也CEO(最高経営責任者)は「人材がパフォーマンスを発揮できる、働きやすいオフィス環境作りに取り組む」と語る。

 事業面の強化も図る。一例が、同社が蓄積している1000億件超のデータを使った企業のマーケティング支援だ。利用者の店舗に対するクチコミや、実際に訪れた、行きたいといった投稿を個人を特定しない形で分析すれば、「食に関する人の行動や食のトレンドが見えてくる」(同)。

 こうしたデータを企業と共有して、飲食店を中心にした街作りや企業の集客などに生かす。データ活用を進めて、「スマートフォン時代の食のプラットフォームを目指す」(武田CEO)。