ソフトバンクは2016年7月27日、インターネットVPNを簡単かつ迅速に構築できる新サービス「ホワイトクラウド OneLayer on Cradlepoint NetCloud」を始めた。SDN(Software Defined Networking)の技術を活用して接続対象を自在に変えられるほか、アクセス制御やセキュリティ対策を集中管理できる。初期費用は無料で、利用料金はID当たり月400円から。小規模の店舗や建築現場、海外拠点、取引先などとの接続用途を提案していく。

 新サービスは米Cradlepointと組んで提供する。Cradlepointはもともと、エッジルーターを主に手掛けていたが、SSL-VPNのクラウドサービスを展開する米Pertinoを2015年12月に買収。NFV(Network Functions Virtualization)のフレームワークに基づいてPertinoのサービスを見直し、企業向けにセキュリティ対策機能などを強化した「Cradlepoint NetCloud」をソフトバンクが取り扱う格好となる。

 新サービスの特徴は、エージェントソフトをダウンロードして数分でインターネットVPNを組めること()。例えば小売業の店舗ネットワークでは、顧客向けの公衆無線LANに活用するインターネット接続回線に一本化してしまい、POS(販売時点情報管理)機能を搭載したタブレット端末や業務パソコンを対象にVPNを構築できる。既存の閉域網にオーバーレイで導入できるため、取引先や提携先ともサーバーや端末を限定して接続しやすい。WAN構築の柔軟性が高く、IoT(Internet of Things)の機器を収容する手段としても訴求していく考えである。

図●「ホワイトクラウド OneLayer on Cradlepoint NetCloud」の概要
図●「ホワイトクラウド OneLayer on Cradlepoint NetCloud」の概要
(出所:ソフトバンク)
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 ネットワークの有効/無効、アプリレベルのアクセス制御、セキュリティ対策などの設定はクラウド上の管理コンソールで実施する。従来のようなIPアドレスベースではなく、ユーザーのメールアドレスやデバイスのホスト名で設定できるため、分かりやすいという。