日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は2016年7月20日、Perform Groupの日本法人と、2017年より10年間の放映権契約を締結したと発表した。

 10年間の放映権の総額は約2100億円である。今回の契約には、日本国内におけるインターネット・モバイル配信の権利も含まれる。

 Perform Groupは、スポーツのライブストリーミングサービスの「DAZN(ダ・ゾーン)」の日本での開始を2016年夏に予定している。今回の契約により、2017シーズンから「J1リーグ」「J2リーグ」「J3リーグ」の全試合が「DAZN」で生中継されることになる。「DAZN」サービスの価格や加入方法などの概要は2016年夏に発表を予定する。JリーグはPerform Groupがこれまで世界のスポーツ制作において培ってきた経験と最先端のデジタル技術を共有し、臨場感あふれる試合中継制作に取り組むとしている。

 Jリーグは同日に、Perform Groupの日本法人およびNTTグループとスタジアム・ホームタウンのICT化を図る「スマートスタジアム事業」における協業契約を締結したことも発表した。契約期間は2017年から2026年の10年間である。

 JリーグとPerform Group、NTTグループは、J1クラブのホームスタジアムをはじめとした全国のスタジアムのWi-Fi環境整備・情報サービス提供などを含めたICT化事業を推進する。インターネットに快適につながるスタジアムをスタートポイントに、ICTを利活用したヒト・モノ・コトが相互につながる仕組みやスタジアム内で楽しめるコンテンツとサービスを通じて、観戦に来た人の興味の対象がスタジアム周辺地域やコミュニティーにまで広がるきっかけを提供するという。

 具体的には、例えば先進技術を使った新たな映像サービスと観戦スタイルを提供する。スタジアムではスタッツを見ながら試合を観戦したり、プレイバック機能を使って何度でもゴールシーンを手元でリプレイしたりするなど、スポーツファンの視聴環境の質を高め、よりJリーグを楽しめる環境を整える。

 スポーツを契機とした地域振興・デジタルマーケティングも推進する。より幅広い層に来場してもらえるように、スマホ・タブレットやデジタルサイネージなどを通じて試合観戦以外の新たな体験を創出して提供する。スタジアムと周辺地域の商業・観光施設間での相互送客など、クラブやファン・サポーターが地域コミュニティの核となり地域振興につながる活動も支援するという。

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