専用ルーターを持つフォン・ジャパンの眞島宗一COO(最高執行責任者)
専用ルーターを持つフォン・ジャパンの眞島宗一COO(最高執行責任者)
丸いルーターが「FON 2601」、四角いルーターは上位機の「Fonera Enterprise」
[画像のクリックで拡大表示]

 2016年7月20日から東京ビッグサイトで開催している「インバウンド・ジャパン2016」のフォン・ジャパンのブースでは、フリーWi-Fiサービス「FON」と専用ルーターを紹介している。Wi-Fi通信のデータを収集して分析すれば、ユーザーの行動履歴を分析できるという。

 FONは登録ユーザーが使える共有用SSIDを持つWi-Fiルーターを設置してもらい、アクセスポイントを増やしていくサービス。個人向けと法人向け製品がある。法人向けではログイン画面を編集できたり、男女比や外国人比率といった匿名化した利用者データを確認できたりする。フォン・ジャパンの眞島宗一COO(最高執行責任者)は「FONのアクセスポイントは欧州でデファクトスタンダードになっており、訪日外国人の間でも知名度が高い」と話す。

 アクセスポイントが増えると、サービス利用者以外のデータも分析できるようになるという。Wi-Fiルーターと通信端末はSSIDを送受するなど、意図的な接続をしなくてもデータ通信をしている。通信したデータからデバイス情報を抽出し、デバイスを検出したアクセスポイントの場所をつなげば所有者が移動した経路がわかる。眞島氏は「将来的に分析した行動データも匿名化して提供したい」と話す。例えば、店舗の近くを通過したデバイスの所有者に多い属性から新規顧客を獲得するキャンペーンを実施するといった利用が期待できる。

 FON専用ルーターの価格は「FON 2601」の場合で4000円以下。802.11ac規格に対応していて、「小さな店舗なら1台で十分だ」(眞島氏)という。