欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は現地時間2016年7月14日、米Alphabet傘下の米Googleがインターネット検索市場における独占的立場を乱用したとして、同社に異議告知書(Statement of Objections)を送付したことを明らかにした。

 ECが意義告知書を同社に送付するのは、比較ショッピングサービス「Google Shopping」(関連記事)、モバイルOS「Android」(関連記事)の問題に続いて3件目。

 今回ECが欧州の独占禁止法(欧州競争法)に違反すると仮判断を下したのはGoogleの検索広告事業「AdSense」。ECによると、GoogleはAdSenseを導入しているサードパーティーのWebサイトに対して競合の検索広告を表示することを制限したほか、一定数以上のAdSense広告を最も目立つ位置に掲載するよう求めたり、Googleの合意を得ずに競合検索広告を導入することを禁じたりした。これにより、消費者の選択肢を狭め、革新を妨げたとECは結論付けている。GoogleはECの判断に対して10週間以内に反論できる。

 またECはGoogle Shoppingの問題で補足の異議告知書を送付した。ECは、Googleが検索結果ページでGoogle Shoppingを競合ショッピングサイトより目立つように表示し、競合サービスの表示位置を下げるなどして独占禁止法に抵触したと判断し、2015年4月にGoogleに警告した。補足の異議告知書では、ECの判断を裏付ける新たな根拠などを提示しているという。Googleは8週間以内に回答する必要がある。

 なお、Androidに関するGoogleの回答期限は7月末から9月7日に延期された。ECが最終的に独占禁止法違反を確認した場合に課す制裁金は年間総売上高の最大10%とされているため、Googleは最大で約70億ドルの支払いを言い渡される可能性がある(米The Vergeの報道)。

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