写真1●セールスフォース・ドットコムの御代茂樹プロダクトマーケティングシニアディレクター
写真1●セールスフォース・ドットコムの御代茂樹プロダクトマーケティングシニアディレクター
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写真2●「Field Service Lightning」のデモ。指示者は画面上で技術者を割り当て(左)、技術者はスマートフォンで状況を報告する(右)
写真2●「Field Service Lightning」のデモ。指示者は画面上で技術者を割り当て(左)、技術者はスマートフォンで状況を報告する(右)
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 セールスフォース・ドットコムは2016年7月13日、設備機器の設置・保守サービス運営企業向けに、現地に派遣する作業技術者(フィールドエンジニア)と作業指示者(ディスパッチャー)のスケジュールを最適化する新ツール「Field Service Lightning」を今秋から提供すると発表した。料金は技術者・指示者共に1ユーザー当たり月額1万8000円(税別)。

 マーケティング本部プロダクトマーケティングシニアディレクターの御代茂樹氏(写真1)は、「IoT(インターネット・オブ・シングズ)時代にさまざまな機器がつながるようになり、これらの設置や保守に伴うフィールドサービス市場の成長が見込まれる。システム化が必ずしも進んでいない分野であり、当社にとって事業拡大の余地が大きい」と述べた。電気・ガス・水道といったライフライン関連企業や大型設備のメーカーなどに新ツールを売り込む方針だ。

 指示者は、技術者の「スキルレベル」「スケジュール」「場所」といった要素を考慮して、誰をどこに派遣するかを決める。派遣先で想定外の時間がかかった場合は、次に行く予定だった場所に代わりの技術者を派遣するなどの対応も必要になる。こうした管理業務は煩雑で、経験と勘による判断に依存したり、システム化する場合でも要件が複雑になったりしがちだ。

 新ツールでは、技術者のスキルやスケジュールをきめ細かく管理。指示者は、顧客から修理の要望を受け付けたときに、スケジュールや居場所に応じた技術者を自動的に割り当てて、派遣指示を出すことができる(写真2)。技術者は現地到着や作業着手、完了といった報告事項をスマートフォンなどで入力。指示者側は画面上で確認しながら、追加で指示を出す判断ができる。

 将来的には、指示者の判断をAI(人工知能)で支援したりする機能の追加も視野に入れているという。