写真1●DeNAの守安功代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)(左)とPreferred Networksの西川徹代表取締役社長兼CEO(右)
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写真2●2016年5月からDeNAの「Mobage」に試験導入したAIと、ユーザーのチャット。女性キャラクターはAIによる自動応答
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 DeNAとPreferred Networks(PFN)は2016年7月14日、人工知能(AI)を活用した商品やサービスの企画、開発をする合弁会社「PFDeNA」を設立した(写真1)。DeNAの守安功代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)は「自動車の配車管理やルート決定など、AIが活躍できる領域は広い」と話した。DeNAはカーシェアサービス「Anyca」の提供や、自動運転ベンチャーのZMPと共同で自動運転車の実証実験開始するなど、自動車関連分野の事業を拡大してきた。

 新設した合弁会社の資本金は3000万円で、両社が50%ずつ出資した。DeNAの提供サービスから収集したデータを元に、両社が協業して新製品やサービスを開発する。自動車関連だけでなく、ゲーム事業にも応用を見込んでいる。「ゲーム内のイベント設計やパラメーター設定は、人間よりもAIの方が得意だ」(守安社長)。ほかにも、医療分野でのサービスや新しい事業の開発もするという。

 PFNはディープラーニングなどの機械学習技術を駆使した機械制御を得意として、トヨタ自動車との共同開発やファナックと協業をしている。PFNの西川徹代表取締役社長兼CEOは「人間と協力できる機械を作りたい。DeNAの保有するデータは利用者の日常会話など、リアルタイムで生のデータが多い」と協業の理由を話した。

 両社は2016年5月から試験的にユーザーとチャットで対話するAIを試験運用している(写真2)。PFNのエンジニアがDeNAに出向き開発した。利用者データをDeNA社外に出さずに開発して、個人情報保護に配慮したという。