IX(インターネット相互接続)事業者のBBIXとISP(インターネット接続事業者)のビッグローブの2社は2016年7月14日、それぞれが東京都江東区のデータセンター「アット東京中央センター(CC1)」内に新たなネットワーク接続拠点を開設したと発表した。さらに、2社が連携した新サービスとして、アジアから日本に進出する通信事業者に対してワンストップでインターネット接続環境を構築できるサービスの提供を開始した。

 アット東京中央センター(CC1)は、総床面積約14万平方メートルというファシリティーの広さと、20社を超える国内外の通信事業者が接続拠点として利用しているというネットワーク接続性の高さの両方を兼ね備えたデータセンターである。特に、バイリンガル対応によって、海外のクラウド事業者が数多く利用しているという。

 IX事業者のBBIXは今回、大手コンテンツ事業者と国内ISPのデータトラフィック交換を目的としたネットワーク接続ハブ拠点「BBIX東京第5センター」を、アット東京中央センター(CC1)内に設立した。これにより、アット東京のデータセンターを利用するISPや企業などに対して、同社のIXサービス「IXコネクトサービスLite」を提供できるようにした。BBIX東京第5センターは、BBIXにとって東京都内で5番目、全国で9番目となるIXセンターである。

 IXとは、IX事業者が提供するインターネットの相互接続点のこと。ネットワーク接続のハブとして機能する。ISPやデータセンター事業者は、IXに接続するだけで、同じIXに接続された他のISPなどと相互に通信できるようになる。IXを利用することによって、自前でメッシュ型で接続網を用意して個々のISPなどをそれぞれ接続するといった必要がなくなる。

 一方、ISPのビッグローブは今回、アット東京中央センター(CC1)内に、自社のISPサービスへの接続拠点を開設した。BBIXのIXコネクトサービスLiteや、その他のIXサービスを利用している。これにより、ネットワーク接続性が高まった。他社のネットワークサービスと同じデータセンター構内で接続できるので、安定したサービス提供が実現できるとしている。

 BBIXとビッグローブは連携し、アジアから日本に進出する通信事業者に対し、ワンストップでインターネット接続環境を構築できるサービスを提供する。米国、香港、シンガポールの通信事業者間をつなぐBBIXの「US延伸」および「Smart IX」と、シンガポールを拠点とするビッグローブのループ会社であるフルルートのコンサルティングサービスを組み合わせる。