写真1●LoRaWANとSORACOMをつなぐゲートウエイ(屋内用)
写真1●LoRaWANとSORACOMをつなぐゲートウエイ(屋内用)
(提供:ソラコム)
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写真2●LoRaWANとSORACOMをつなぐゲートウエイ(屋外用)
写真2●LoRaWANとSORACOMをつなぐゲートウエイ(屋外用)
(提供:ソラコム)
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写真3●LoRaWANの通信モジュール
写真3●LoRaWANの通信モジュール
(提供:ソラコム)
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 ソラコムは2016年7月13日、IoTに向いた広域通信方式であるLoRaWANの実証実験キット「SORACOM LoRaWAN PoCキット」の販売を開始した。LoRaWANを用いたサービスや製品の開発を検討している企業に提供する。キットは台数限定で、購入にはサイトからの申込みが必要。

 IoTデバイスが収集したデータをLoRaWAN経由で収集し、これをソラコムのIoT向け通信サービス「SORACOM」に送信するシステム一式を、検証用にPoC(概念実証)キットとしてパッケージ化した。これを使うことで、開発中の製品サービスの有効性や要素技術について、製品化前にテストできる。

 PoCキットに含まれるハードウエアは、以下の通り。LoRaWANとSORACOMのゲートウエイ(ルーター)が1台で、屋内用または屋外用のいずれかを選ぶ。ゲートウエイ用のモバイル通信SIM「SORACOM Air」が1枚付く(半年分の通信費を含む)。IoTデバイス側に必要な、マイコンボードを含んだ通信モジュールが10個、である。

 ユーザーは、LoRaWANを使いたい場所にゲートウエイを設置することによって、LoRaWAN経由で収集したデータをSORACOMに送信できるようになる。PoCキットには、ゲートウエイの設置サービスや、PoCキットに関する1日間のトレーニング、初期コンサルティング(各種センサーの実装支援、バックエンド開発、データ分析など)も含まれる。

 LoRaWANはIoT向けの無線技術であり、省電力で長距離伝送が可能なことが最大の特徴である(関連記事:ソラコムがIoTの省電力・広域通信サービス、「LoRaWAN」採用、技術ベンチャーM2Bに出資)。

グローバル対応SIMの検証キットも販売

 ソラコムは同日、SORACOMのすべてのサービスを120を超える国と地域で利用可能となることを発表し、日本企業に向けて実際に海外で検証できる「SORACOM Global PoCキット」の販売を開始した。キット内容は、SORACOM Airのグローバル対応SIM×30枚と、基本料金6カ月分、データ通信料300ドル相当で構成する。価格(8%消費税込み)は4万9800円。

 同日、SORACOMに二つの新サービスを追加することも発表した。ネットワークセキュリティを強化する仮想専用線接続サービス「SORACOM Door」と、デバイスへのリモートアクセスを可能にするデバイスLAN接続サービス「SORACOM Gate」である。