NECは2016年7月13日、AR(拡張現実)とウエアラブルデバイスを応用した例として、作業者の腕を仮想的なキーボードとして利用できるようにするシステム製品「ARmKeypad Air(アームキーパッド・エアー)」を開発したと発表した。Android搭載のスマートグラスだけで仮想キーボードを実現する。NECが開発したソフトウエアやシステム構築サービスを組み合わせて提供する。
腕に取り付けたQRコードや企業ロゴを、ARマーカーとして使う。スマートグラスがARマーカーを認識し、所定の位置に仮想キーボードを表示する。仮想キーボード上での指の位置と動き(フリック/スワイプ操作)を調べて、これを選択肢の選択や決定に利用する。仮想キーボードを映した腕にタッチすることなく選択/決定できるので、医療現場や食品加工現場のような、衣服に直接触れられない無菌状態での作業が求められる現場でも利用できる。
これに対して、2015年11に発表した「ARmKeypad(アームキーパッド)」は、腕にタッチして入力する方式を採っていた(関連記事:NEC、腕を仮想キーボードにするシステム「ARmKeypad」を2016年に製品化)。加速度センサーを搭載したスマートウォッチを腕に巻くことによって、腕へのタッチを検出する。タッチした瞬間の指の位置を調べることによって、どのキーを押しているのかが分かる。
今回のARmKeypad Airは加速度センサーを使わないので、スマートウォッチを腕に巻く必要がない。ARマーカーは、スマートウォッチの代わりにシールなどで代用できる。