グーグルは2016年7月13日、自動車を運転している最中に安全に地図ナビゲーションや音楽プレーヤーなどのAndroidアプリケーションを使えるようにするサービス「Android Auto」を国内で開始した(画面1)。USB接続したAndroidスマートフォンを、自動車が搭載しているUI(ユーザーインタフェース)であるカーナビや音声マイクで操作して利用する形になる。

画面1●Android Autoを利用している画面。カーナビでGoogle Mapsを表示・操作している
画面1●Android Autoを利用している画面。カーナビでGoogle Mapsを表示・操作している
(提供:グーグル)
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 運転手が普段使っているスマートフォンを自動車にUSBケーブルで接続し、カーナビを介して利用できるようにするサービスである。サービスの構成要素は、(1)Android Autoに対応したカーナビ、(2)Android AutoアプリケーションをインストールしたAndroidスマートフォン、(3)Android AutoのAPIを組み込んだAndroid Auto対応アプリケーション---の三つである。

写真●米グーグルでAndroid Auto担当プロダクトマネージャーを務めるダニエル・ホール氏
写真●米グーグルでAndroid Auto担当プロダクトマネージャーを務めるダニエル・ホール氏
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 自動車の運転中に利用する典型的なアプリケーション/サービスとして、Google Maps(カーナビ)、Google Play Music(音楽)、通話/メッセージング機能---がある。これらはすでに、Android Autoを介して利用できる。「スマートフォンをつなぐだけでプレイリストがカーナビの画面に出る」(米グーグルでAndroid Auto担当プロダクトマネージャーを務めるダニエル・ホール氏、写真)。

 ただ単にカーナビの画面でアプリケーションを操作できるようにしただけでなく、音声による操作など、自動車の運転の妨げにならない工夫を施している。ホール氏は、「自動車の運転に合わせて最適化した。安全性を考慮し、画面を見なくてもいい工夫を施した」とアピールする。

 まず、Androidスマートフォンをつなぐと、カーナビ上に専用のホーム画面が現れる(画面2)。ホーム画面には、音声入力ボタンや地図/電話/音楽などの各アプリケーションのボタンが配置される。基本は音声で操作すればよい。スマートフォンの画面はロックされるため、運転中に操作する必要はない。

画面2●Android Autoのホーム画面の例
画面2●Android Autoのホーム画面の例
(提供:グーグル)
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 Android Auto対応アプリケーションの使い勝手も、スマートフォンで直接実行させた場合のUIと、Android Autoを使って実行させた場合(カーナビを介して実行させた場合)で異なる。例えば、Google Mapを地図ナビゲーションとして使う場合、Android Auto経由だと、右折/左折などを指示する看板の表示などが、よりカーナビらしい表示になるという。

カーナビ、アプリともにGoogle Autoに対応済み

 三つの構成要素のうち、Android Autoに対応したカーナビについては、自動車メーカー純正のカーナビの一部や、市販のカーナビの一部が、すでにAndroid Autoに対応している。国産では、日産自動車の純正カーナビ「MM516D-L/W」(2016年7月15日発売)や、本田技研工業の自動車「2016 Accord HYBRID LX/HYBRID EX」、パナソニックの市販カーナビ「Strada CN F1D」がAndroid Autoに対応している。

 Androidスマートフォンにインストールするアプリケーション「Android Auto」は、Google Playから入手できる。Android 5.0(Lollipop)以上で動作する。Android Auto対応アプリケーション/サービスとしては、カーナビになるGoogle Mapsや、音楽プレーヤになるGoogle Play Music、電話機能などを利用できる。APIを組み込むことによって、既存のアプリケーションをGoogle Auto対応にすることも簡単にできる。