イスラエルの公安大臣は、イスラエルに対する暴力行為の多くが「Facebook」に投稿されたコンテンツによって扇動されているとして、米Facebookおよびその創業者であるMark Zuckerberg氏を「モンスター」と呼んだと、複数の海外メディアが報じている。

 最初に報じた英Reutersによると、Benjamin Netanyahuイスラエル首相の閣僚であるGilad Erdan公安大臣は現地時間2016年7月2日、テレビ番組のインタビューに応じ、Facebookがイスラエルに対する暴力防止の十分な対策を講じていないほか、イスラエル警察の活動を妨害していると非難した。

 大臣は、Facebookがイスラエル人への攻撃を扇るような悪質なコンテンツの削除を怠り、イスラエル警察の捜査にも協力しなかったと主張。イスラエルのFacebookユーザーに対して、Facebookにおける監視強化を求めるメッセージをZuckerberg氏に大量送信するよう呼びかけた。

 昨年10月以降、一連の路上襲撃事件によって、イスラエル人34人と米国人2人がパレスチナ人に殺害された。一方イスラエル軍は少なくとも201人のパレスチナ人を殺害し、そのうち137人は襲撃犯だとしている。

 イスラエル政府は現在、Facebookをはじめ「YouTube」や「Twitter」などのソーシャルメディアに、同政府がテロ行為を誘発すると見なす投稿を削除するよう命じることができる法案の策定を進めている。

 Facebookの広報担当者は、大臣の発言に対してはコメントしないと答えたが、「ヘイトスピーチや虐待などに該当するコンテンツの削除に関してはイスラエル政府と緊密に協力している」と述べた(米The Vergeの報道)。