米カリフォルニア州司法局は現地時間2016年7月1日、約2年前に起きた米Appleの「iCloud」からの大量画像流出に関して米イリノイ州在住の男がハッキングの罪を認めたことを明らかにした。

 28歳のEdward Majerczyk容疑者は、iCloudおよび米Googleの「Gmail」のアカウントに不正アクセスしたコンピュータ詐欺および不正使用取締法違反の罪でロサンジェルスの米連邦地方裁判所で起訴された。被害アカウントのうち少なくとも30件は、ハリウッド女優など著名人のアカウントだという。

 問題の画像流出は、2014年のレイバーデー(9月第1月曜日)を含む連休に発生した。iCloudから人気女優やモデルなどのプライベート画像が多数流出し、匿名掲示板「4Chan」に投稿され、他のソーシャルメディアを介して拡散された(関連記事:「iCloud」にハッキング攻撃か、セレブのプライベート画像が多数流出)。

 Appleは、個別アカウントのハッキングが原因であり、同社システム自体のセキュリティ侵害は確認されなかったと報告する一方、iCloudのセキュリティ強化を実施した(関連記事:セレブの画像が流出した「iCloud」、Appleがセキュリティ強化へ)。

 Majerczyk容疑者は2013年11月23日から2014年8月にわたってフィッシングを実行した。インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)のセキュリティ情報を装うフィッシングメールを送りつけ、オンラインユーザーを不正Webサイトに誘導してユーザー名とパスワードを違法に収集した。これらを使ってiCloudとGmailアカウントに不正アクセスし、プライベートな画像やビデオを含む個人情報を盗み出した。

 Majerczyk容疑者は有罪を認めており、最長5年の禁固刑を命じられる可能性がある。判決の申し渡しはイリノイ州北部の連邦地方裁判所で行われる。なお当局の捜査では、画像を投稿および共有する実際の流出行為と同容疑者を結びつける証拠は見つかっていない。

 2016年3月には、同じ事件に関わった米ペンシルベニア州のRyan Collins容疑者がフィッシング詐欺で禁固1年半を求刑された。しかしMajerczyk容疑者と同様、画像流出の罪には問われていない(米The Verge)。

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