富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)は2016年7月4日、コンテナ技術によってインターネットアクセス環境を分離するタイプの情報漏洩対策ソフト「SecureSoft i-コンテナ」()を発表、同日販売を開始した。開発会社はセキュアソフトで、今回富士通SSLは同社と販売契約を結んでいる。

図●SecureSoft i-コンテナの概要
図●SecureSoft i-コンテナの概要
(出所:富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ)
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 Windows OSの上に仮想的なアプリケーション実行環境であるコンテナを作成することによって、パソコンからの情報漏洩を防止するソフト。ローカルのWindows環境と、この上で動作するコンテナ環境を分離し、これらの間でデータのやり取りができないようにする。インターネットアクセスはコンテナ経由、社内LANへのアクセスはローカル環境経由で行う。

 狙いは、インターネットへのアクセスをコンテナ経由に限ることで、マルウエア感染などのインターネットの脅威をコンテナに封じ込め、ローカルのWindows環境や社内LANに影響を及ぼさないようにすることである。仮にコンテナがマルウエアに感染しても、社内LANに影響が及ぶことはなく、コンテナを初期化するだけで元通りになる。

 コンテナの接続先はインターネットに固定されており、コンテナから社内LANにアクセスすることはできない。具体的には、社内LAN上でアクセスできる接続先は社内LAN上に設置した専用のゲートウエイ装置だけであり、これを介してインターネットにアクセスする仕組み。

 別製品として、インターネットアクセスではなく、機密情報へのアクセスをコンテナに閉じ込める使い方を想定した「SecureSoft S-コンテナ」の販売も予定する。機密情報が社内LANへと漏れることを防止する。開発会社であるセキュアソフトは既に販売しているが、富士通SSLからは近日中の販売開始を予定する。

 コンテナが動作するWindows環境は、Windows 7/8.1/10。ここにSecureSoft i-コンテナかS-コンテナのいずれかを導入する。価格(税別)は、i-コンテナが1台当たり2万5000円、S-コンテナが1台当たり5万円。i-コンテナ/S-コンテナに共通の、別途必要なサーバーソフトの価格は150万円。