米Amazon.comが、米国でひそかに新たなプライベートブランド(PB)商品の販売を始めたと、Wall Street JournalCNETなどの米メディアが現地時間2016年6月29日までに報じた。

 それによると、Amazon.comは数日前から同社の米国eコマースサイトで「Happy Belly」ブランドのコーヒー豆と「Mama Bear」ブランドの離乳食を販売している。これらのパッケージにはAmazon.comの社名ではなく「AFS Brands」という販売業者名が記載されているが、CNETなどが担当者に確認したところ、AFSは「Amazon Fulfillment Services」の頭文字で、これらは確かにAmazon.comの商品だという。

 これに先立つ今年5月、Amazon.comが新たに複数のPBを立ち上げる計画だと伝えられた。これには前述の2つのブランドのほか、スナック食品の「Wickedly Prime」と洗剤などの「Presto!」があり、Amazon.comはこれらPB商品を米国の「Prime」会員に限定販売するとWall Street Journalは報じていた。
 
 同社はこれまで、さまざまなPB商品を販売してきたが、PBで食品を本格的に手がけるのはこれが初めて。Wall Street Journalの今回の報道によると、PB商品は開発やマーケティングにかかる費用が低く抑えられるため、利益率が高い。また自社ブランド展開することでAmazon.comは商品パッケージを独自に開発することもできる。これにより配送コストの削減も見込めると、同紙は伝えている。

 Amazon.comは2014年12月に「Elements」というプライベートブランドを立ち上げ、赤ちゃん用の紙おむつとおしりふきの販売を始めた。また同社には「Pinzon」というシーツやタオルなどリネン製品ブランド、「AmazonBasics」というパソコンやスマートフォンのアクセサリー製品ブランドもある。最近では衣料品ブランド「Lark & Ro」と「North Eleven」を立ち上げている。